信頼性確保の義務化に向けての取り組み

2023年10月1日施行のRI規制法施行規則の改正により、外部被ばくによる線量の測定に「信頼性を確保するための措置を講じること」が求められます。

法令の求める「測定の信頼性の確保」とは?
→ISO/IEC17025の試験所認定を受けた品質マネジメントシステムの下で行う測定を言います。

令和5年10月1日からISO/IEC17025の試験所認定を得ていない測定サービス機関はRI規制法事業者の外部被ばくの測定が出来なくなります。
=事実上、線量測定の免許制度が発足

ISO/IEC17025とは?
ISO/IEC17025はISO9001をベースに、試験所や校正機関に対する固有の要求事項を追加した品質マネジメント規格で、試験所や校正機関の能力を測り、認定を与える機関の基準として利用されるものです。
「ISO/IEC 17025」の日本語版はJIS規格として、「JIS Q 17025試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」というタイトルで発行されています。

試験所及び校正機関の能力に関する
一般要求事項
JIS Q 17025:2018
(ISO/IEC 17025:2017)

認定を得るには?
認定を取得するためには、ISO/IEC17025とJAB RL380の要求事項に満足していることを書類審査と現地審査で確認を受けます。認定有効期間は4年間でその間2度の中間審査を受けます。---審査・認定機関:日本適合性認定協会(JAB)
また、認定取得前に1度、以後2年ごとに技能試験を受け、満足な結果を得ることが必要になります。---技能試験実施機関:日本電気計器検定所(JEMIC)

「認定の基準」についての指針
─放射線個人線量測定試験分野─
JAB RL 380:2020

JAB RL380とは?
JABが発行した「認定の基準についての指針」-放射線個人線量測定試験分野―というタイトルのISO/IEC17025を補足する個人線量測定に課される特別な要求事項です。
線量測定の性能要件、校正やトレーサビリティ、線量報告書の記載事項、技能試験の実施方法や適合基準などが定められています。RL380はJABのサイトからダウンロード出来ます。

個線協各社の状況は?
個線協加盟4社のうち、3社は既に認定を取得しております。残り1社につきましては、認定取得事業者に線量計の製造、測定、報告書の作成を委託しています。

信頼性確保の措置を講じている機関の確かめ方は?
測定サービス機関やJABのホームページで確認出来ます。
また認定を取得した測定サービス機関の線量報告書には認定マークが付きます。
今後は新しい線量計でサービスする場合は必ず先にISO/IEC17025認定を受ける必要があります。

2022年01月27日